【2019年8月号掲載】

【住所】札幌市中央区北2条西3丁目1-8
【TEL】 011-210-8088
【URL】http://www.human-link.co.jp/

ヒューマンリンク【社会的意義が高い福祉事業】
自立訓練に特化した障がい者グループホーム「イグルー」の展開加速へ

介護事業や障がい福祉事業など、高齢者や障がい者、障がい児童のための事業を手掛けるヒューマンリンク(本社・札幌市、田中紀雄社長)は、障がい者グループホーム「iGloo(イグルー)」の新規整備を加速させている。リハビリ特化型デイサービス「カラダラボ」をはじめ同社が展開する11業態のなかで、「iGloo」は社会的意義が高い福祉事業として注目されている。

社会的な課題に効果を発揮

▲森田 伸哉常務


▲濱田 晃子常務

障がい者グループホーム「」は、知的・精神・発達障がいを抱える方が、一つの住居で共同生活を送るもので、自立訓練に特化しているのが大きな特徴である。障がい者本人の問題点に着目するのではなく、可能性や能力を引き出し、自らの力を自覚して行動できるように支援している。

この6月に、千葉県と恵庭市恵み野に新規事業所を構え、今後も今年8月までに札幌市東区や苫小牧市、仙台市などに進出する。札幌市豊平区や南区の既存の事業所を含めて、年内に10地区で300室を整備する方針。

「iGloo」が大きな注目を集めるのは、社会的意義が高いだけでなく、社会的な課題に対して効果を発揮しているからだ。

森田伸哉常務はこう分析している。

「ポイントは3つあります。一つは障がい者が住み慣れた地域でご自身の意向に沿って生活を送ることができるよう受入れ体制を整え、長期入院や入所施設からの地域移行を推進すること。もう一つが人口減社会における空き家の有効対策。そして貴重な労働力であるシルバー層の人材登用です。生活の熟練者が就労サポートを含め、自立して地域に根づいた生活を送れるように24時間体制で支援しています」

障がい者グループホームは全国的に不足しているのが実情だ。

濱田晃子常務が言う。

「参入にあたり、主要な自治体へのヒヤリングをもとに算出したところ、道内におけるグループホームの整備率は20%にも満たないという現状であることがわかりました。厚生労働省によると、2020年度にグループホームで暮らす障がい者が、障がい者支援施設に入所する人の数を上回るということです。これは知的障がい、精神障がい者の地域移行のために、グループホームがその選択肢の一つであるという動きがより活発化してきたことを意味しています。精神科病院に入院する長期在院者の退院を促す動きは今後さらに進むと予想され、地域におけるその受け皿づくりは急務とされているのです」

月額利用料金は、家賃や食費、水道光熱費、日用品などの7万3000円程に障がい福祉サービス利用料の1割負担分が加算される。また、入居一時金や保証金といった初期費用は不要で、利用者やその家族から高評価される要因の一つとなっている。

事業所評価加算6年連続 「道内一」

ところで、ヒューマンリンクは2010年の設立以来、通所介護の「カラダラボ」を中心に成長してきた。設立から10年を経ずして全国に151事業所を展開するなど、事業の幅を広げられたのは、田中社長の先見力や創造力によるところが大きい。

社長の片腕として全国を飛び回る森田常務はこう見ている。

「異業種のフランチャイジーが集まるビジネスモデルコンテストで優良フランチャイザーに選ばれるなど、FC事業説明会やフェアでは多くの関心が寄せられるようになりました。『困っている人たちを助けられる若者の集まりでありたい』という基本的な考え方はこの先も変わりません。経営戦略上、介護事業と障がい福祉事業のバランスは重要と考えているため、今は軸足を障がい福祉事業に移す転換点だと思っています」

成長の原動力となった通所介護事業において、同社グループは19年度の「事業所評価加算」適合事業所数で6年連続「道内一」となった。同年度における事業所評価加算の算定基準を満たした適合事業所数は55事業所で、道内の全適合事業所213事業所の約4分の1を占めている。

「事業評価加算」とは、運動器機能向上サービスや栄養改善サービスなどの選択的サービスを行う介護予防通所サービス事業所を対象としており、利用者が一定以上の維持改善した場合に算定可能となるもので、いわば通所介護の質と実績の「優良事業所」というわけだ。

「高齢者の運動機能をはじめ、認知機能や栄養状態、水分評価といった複数の側面からの評価を通じて要介護度の改善を促し、重度化予防の実現に努めた結果だと考えています」

と、濱田常務はこう締め括る。

「1位、2位を争うという考えはありません。住み慣れた地域で、在宅生活の継続を支援していくことこそが重要だと思っています」

(イグルーでの暮らしのイメージ)